<Fish Born Chipsさん対談>「守らない」ブランドづくり 第2回



 

< こんなメンバーで対談してきました >


 
Fish Born Chips
https://minne.com/fbc
相川佳輝さん(あいかわよしてる・写真/左) と 祐果さん(ゆうか・写真/中央) のご夫婦二人で活動。
「ムダなモノ」をコンセプトに、革製品を中心とした新鮮でちょっと尖ったデザインのアイテムを作成中。ヘッドウェアブランド「CA4LA」や、ファッションブランド「COMME des GARÇONS」などとのコラボも実現。


阿部
minneのエバンジェリスト(写真/右)。最近阿部家にやってきたポメプーのトトちゃんにメロメロ。

 
 



 
第2回 軌道に乗るまでのこと
 
 
阿部
Fish Born Chipsさんって、お名前の由来はなんなんですか?
 
よしてる
さっきお話した、もうひとり居たやつの名前が「よしお」っていうんですよ。僕が「よしてる」で、彼女が「ゆうか」で全員イニシャルが「Y」なんです。「Y」を縦に並べたら、魚の骨みたいになるんです。そこから「Fish Bone」。
 
阿部
なるほど!
 
よしてる
で、それだけだと普通に存在する単語になってしまうじゃないですか。あ、僕ね、映像チームをやっていたときに造語のチーム名にしていたんですけど、なかなか覚えてもらえないんですよね。また、知り合いの作家さんは世の中に存在している言葉をお名前にしているんですけど、検索した時に一番上に出ないんですよね。ってことは、ちょっと違うくらいがいいのかなって思って、Fish and Chipsをもじって「Fish Born Chips」にしました。
 
ゆうか
あと「Born」は「Bone(骨)」じゃなくて生まれるの「Born」にしました。ちょっとずつ変えて、音の響きはわかりやすくしました。
 
阿部
覚えやすいですよね!Fish and Chipsっていう単語を知ってるから言いやすい。
 
よしてる
覚えやすさを重視しました。
 
阿部
作家活動としては、お二人はどういう役割分担で動いているのですか?
 
ゆうか
会社にした経緯などもあって事務が増えたので、いま私は8割は事務作業になっていますね。あとは、できる時間で手を動かしています。彼は、ほぼ100%手を動かして作っていますね。あとはアルバイトさんがいます。毎日来てくれるのは、いまは彼一人だけ。
(奥のお部屋にアルバイトさんがいます。)
 
よしてる
僕の職業柄、アルバイトさんは美大の学生ばかりなんです。予備校の教え子が多いかな。みんなだいたいのことはすぐできるので、すごい助かってます。
 
阿部
モノづくりの勉強にもなるし、良い職場ですね。これから作品も増えて、販売の数も増えてきたら追いつかなくなったりするんじゃないですか?
 
ゆうか
そうですね。なので今、出せる部分は工場に出したいなと思っていて、探し中です。でも、どんなに忙しくても、ハンドメイドはやめない!って決めています。
 
よしてる
絶対手は動かした方がいい。
 
ゆうか
ハンドメイドで作る作品もいくつもあって、手数が少なくてすむ作品も作ってバランスよくやっていきたいなと思っています。
 
よしてる
手で作ることで、クオリティが増すものと逆にクオリティが下がるものがあるんですよね。キレイにカッチリ作りたいものは、業者さんに頼んで作った方がいいと思いますし、お客さん目線になると、これハンドメイドなんでって言われてもクオリティが低いと嫌だと思うんです。そこはお客さん目線で、ここは工場にしよう。ここは手を入れないと!って分けて考えていこうと思っています。
 
阿部
「ここは手でしょ!ここは工場で。」って部分は具体的にどういうところですか?
 
よしてる
単純に言うと、手を入れるのはやっぱりペイントですね。手描きで描いていた部分はこれからもペイントしていきます。シルクスクリーンを使った作品もありますが、シルクスクリーンの上からペイントをしたり何かしら手を加えています。
 
阿部
作品のクオリティ担保とハンドメイドらしさの表現とのバランスが大事になってきますよね。作家活動が軌道に乗るまでのお話をお聞きしたいのですが、専業でやるって決めた瞬間はいつですか?
 
ゆうか
私としては、最初から絶対専業でやろうと思っていました。若さもあったけど、専業で作家として娘を食わす!ってくらい強い気持ちで走ってましたね(笑)。
 
阿部
そういう気持ちは大事ですよね。
 
よしてる
そうですね。逆に僕は年がいっちゃっていたので、ゆっくりいこうよ。って感じでした。
 
ゆうか
それがね、結果的にバランスが取れてたんだと思います。走りすぎないように、ブレーキ踏んでもらってます。
 
阿部
なるほど。まあ待ちなさいよと。
 
よしてる
僕はずっと番組制作の仕事と、自分の映像作品を作っていたんですけど、どんどん作家活動が忙しくなっちゃって。映像の仕事を断るようになってきてしまって、今は映像の仕事は全部お受けしてないんですよ。予備校での講師も、勤務を減らして教えています。でも講師の仕事は、ガス抜きでもあるですよ〜。
 
阿部
と、いいますと?
 
よしてる
ご結婚されていますか?
 
阿部
しています。
 
よしてる
嫁とずーっと一緒にいるの嫌じゃないですか?
 
阿部
どうでしょう…。
 
ゆうか
同じ空間で同じ仕事をしているので、抱えるストレスも一緒なんですよね。
 
よしてる
それで、外に出る理由が欲しくて続けています。同僚たちも普段も遊んだりするような関係なので、すごい楽なんです。
 
ゆうか
それこそ、たまに手伝いにも来てくれるし。そうやって発散できるなら、いい事だなって思っています。
 
よしてる
なので、僕の場合は徐々に作家活動にシフトしていった感じですね。
 
阿部
その息抜きもしかり、周りに協力してくれる人がいるっていうのはいいですね。
 
ゆうか
ありがたいことですね〜。
 
よしてる
1人で活動されている作家さんの方が多いじゃないですか。自分だったら出来ないです。
 
ゆうか
展示会で会う作家仲間の方は、あまり人と会ったり話したりしないと気がおかしくなるって言っていました(笑)。大変だと思います。
 
阿部
「人に会わないと喋り方を忘れそう。」っておっしゃる作家さんも多いですよね。
 
 
阿部
2012年に作家として始動されて、2013年にはminneをお使いいただいていると思うんですけど、最初から反応ってあったんですか?それとも何かきっかけがあったんですか?
 
ゆうか
私がネット担当として、2012年の11月頃からやり始めたんですけど、いくつも販売できるサイトがあるって知って、minneさんもよさそうだなと思って始めました。その時は、とにかく広めなきゃ!と思っていろいろなサービスを掛け持ちしていました。一番反応が良いのがminneさんだったんですよね。
 
阿部
嬉しいですね!
 
ゆうか
こちらこそです!よく取り上げていただくペンギンのバッグなんですけど、「ムダなもの」ってコンセプトもあって、最初はマチが一切ないクラッチバッグを作っていたんです。もう、ほんとにムダな、デカい定期入れくらいの。
攻め気なクリエイションだったんですけど、それを買ってくれたminneで一番最初のお客様が「すごい可愛いけど、やっぱりマチはあったほうがいい。」ってレビューをくれて、そこから真剣に考え始めたんですね。
それから初めて革ミシンを買って、やっと立体的なバッグを作り始めました。立体的にしたら、minneの自分のギャラリーの中で、一番の人気商品になりました!そこからだんだんminneさん発信で他の場所でも売れるようになりましたね。
 
阿部
ありがとうございます。うれしいですね。活動の中で苦労されたこととか、挫折されたこととかありますか?
 
ゆうか
これから挫折とかくるのかな〜って思っています。ありがたいことに、今まで反応がなかった時期がないので、やる気が失せることは今のところまだないです。
 
阿部
それはすごい…!!!
 
よしてる
基本的に、辞めようって思うことはないですね。映像やっていた時も思っていたんですけど、僕たちは何者でもないので、どんなクレームも受け入れています。それなりの覚悟はあったので、挫折とかはないですね。
 
ゆうか
あとは彼(よしてるさん)の場合は、モノ作りが2番目に好きな事なので、詰まりすぎていないんだと思います。
 
阿部
1番は?
 
よしてる
映像ですね。それが1番好きで好きで。仕事としてやっていた時は、作るもの一個一個が全部「俺」なんですよ。この作品が否定されるということは、「俺」が否定されることだ〜!みたいな(笑)。
でも、このモノ作りの方はいままで趣味としてやっていたので、今でもその延長線で気楽にやっていますね。クレーム受けても、「たしかにな〜。じゃあそうしよう。」って素直に思えるんです。
 
阿部
へえ〜〜。映像に関してはギラギラしていたんですね(笑)。
 
よしてる
変にプライドがないんです。イベントとかで売れなくても「仕方ないよね。」くらいです。もともと、万人受けするようなものを作っているとは思ってないので、100人いて、ひとり買ってくれたら良いくらい。たまにたくさん売れたらびっくりします。
 
阿部
コアな人に刺さると、その人がすごいファンになってくれるってパターンが多くないですか?
 
ゆうか
そうですね。ありがたいことにリピーターの方もいらっしゃってくれて、帽子もたくさん持ってる方もいらっしゃいます。
 
阿部
それはうれしいですね。お客さんからいただくリアクションは、制作活動になにかしら影響があったりしますか?
 
よしてる
minneのレビューは活力になりますよ!
 
阿部
わ、うれしい〜。
 
ゆうか
minneから来たお客様のレビューを見ていると、この人達が待っていてくれるのだからまだまだ作り続けなくては!という気持ちになります。休んでる間も注文が来たりすると、お客さまのためにもやらねば!と。
「ひと」が感じられるとやる気が出ますね。単純に作りたいから作り続けているというより、「ひと」を感じる機会があってこそ続けられています。それは、minneさんのおかげで感じられています。
 
阿部
うれしいお言葉です!卸して販売する形だと、購入者さんの声ってなかなか届かないですもんね。それが直接届くというのは大きいですよね。
 
よしてる
大きいですね〜。
 
阿部
作家活動だけで食っていくぞ!ってやる気はどこから来るのですか?
 
よしてる
僕たちの場合は周りの影響かもしれないです。美術系の人間ばかりの環境だったので、作家でやっていきたい人が多かったんです。「就職なんて死んでもしない!」みたいな人が沢山いて、今でも就職はせず、作品を作っている人が多いですね。
 
阿部
なるほど。
 
よしてる
「作品で食っていくんだ!」って考え方の人ばかりの界隈があるんですよ。で、僕も元々そこに居たので、自然とそういうもんなんだなって思っていました。就職したいとか考えたこともなかったですね。不安はもちろんありますよ。死ぬのかな・・・。って思うこともありました(笑)。
 
阿部
いや〜そうですよね。
 
よしてる
それもここの連中には共通している気持ちなんですよね。この環境が悪く作用すると傷の舐め合いにもなってしまうんですけど、僕の場合は良い方向に作用してくれましたね。良い刺激になりました。色んなジャンルですごい売れたやつもいますしね。それを見ていると、「くっそー!」みたいな。恵まれた環境でした。
 
阿部
それは周りの方から勇気をもらえるというか、エネルギーをもらえますね。
SNSをかなりお上手に使われている印象があるのですが、その辺りのお話をお聞きしたいです。
 
ゆうか
SNSは私が担当しています。最初の一年目はとにかく広めなきゃ!って気持ちで動いていたので、ネットショップも同時にたくさん始めたり、SNSも作家活動を始めてすぐに作りました。もともとSNSが好きなタイプでもありますね。彼は真逆で全然できないタイプ。最初はminneさんで知っている作家さんをフォローして挨拶をして、作家さんたちのタイムラインを見ていると、だんだんイベントとかの情報も入ってきて、活動にもかなり活かされました。
 
よしてる
僕たちの年代の男性って全然できないんですよ。腰がとにかく重くて。なので完全におまかせしています。
 
ゆうか
あと、Twitterで出会った作家さんにはデザフェスとかで挨拶しに行ったりしていました。そこから今でも交流がある方もいらっしゃいますよ。それで、また楽しくなりますね。
 
阿部
なるほど。本人にお会いすると、作品もより魅力的に見えたりしますよね。TwitterとInstagramとブログで、発信する情報を分けられているのは何故ですか?
 
ゆうか
みなさんの見よう見まねなんですけどね(笑)。あ、でも最近思ったのは、Twitterを見て来てくれた人と、Instagramを見て来てくれた人、それぞれ別で存在しているって知りました!なので、いろんなSNSをしているのは意味がある事なんだなって。TwitterやInstagramのいいね!や、minneのレビューなど、お客さんからの反応が見られることが一番のやる気につながるし、SNSが続けられる理由でもありますね。
 
 
 
阿部
ご夫婦で活動されていて、よかったなって思うところと、大変だと思うところは何ですか?
 
ゆうか
よかったなって思うことは…ほとんどかな?(笑)
 
よしてる
作品において言えば、身内なのでストレートに意見が言えるし言ってもらえる事ですね。ダサければ「ダサい」って言って貰える。それが楽ですね。
 
阿部
その方が進むスピードも速そうですね。
 
よしてる
そうですね。スパンと決まります。
 
ゆうか
同じ家に24時間一緒にいるので、情報の伝達はすごい楽です。
 
よしてる
いつでも会議。
 
ゆうか
そうそう、プライベートで遊んでても外に食事に行っても、突然会議が始まるんです。二人とも仕事とプライベートをきっちり分けたいタイプではないというか、生活の中に組み込まれている感じです。テレビとか観てて、「あ、こういうの良くない?」って話で盛り上がったりします。
 
阿部
お二人の目線が同じっていうのがいいですね。片方が「今テレビ観てるじゃん!」とかなったら成立しないですもんね。
 
よしてる
それはないですね〜。ぼくが時々、予備校にガス抜きしに行くくらいですね(笑)。あ、でもどっちかが病気で倒れた時の負担が尋常じゃないですよね。お互いが違う会社で働いている場合は、僕が倒れても僕の仕事を彼女が背負うことはないけれど、今はそうはいかないですもんね。
 
ゆうか
さらに家事と子育てとね。
 
よしてる
なので、病欠の負担が一番怖いですね。
     
 

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