<Fish Born Chipsさん対談>「守らない」ブランドづくり 第4回



 

< こんなメンバーで対談してきました >


 
Fish Born Chips
https://minne.com/fbc
相川佳輝さん(あいかわよしてる・写真/左)と、祐果さん(ゆうか・写真/中央)のご夫婦二人で活動。
「ムダなモノ」をコンセプトに、革製品を中心とした新鮮でちょっと尖ったデザインのアイテムを作成中。ヘッドウェアブランド「CA4LA」や、ファッションブランド「COMME des GARÇONS」などとのコラボも実現。


阿部
minneのエバンジェリスト(写真/右)。最近阿部家にやってきたポメプーのトトちゃんにメロメロ。

 
 


 
第4回 大切にしていきたい信念
 
 
阿部
2015年は大激動の一年だったようですね。
 
ゆうか
いや〜もう、そうですね。
 
阿部
すごかったんじゃないですか?2014年とでは、2015年の圧倒感がありますよね。
 
ゆうか
始めてからはずっと何かしら動きはあり続けていたんですけど、去年はたまたま大きい仕事があったので、激動の一年でしたね。作る量も、ものすごく増えましたので。
 
よしてる
そうですね。アルバイトさんにも頑張ってもらったけど、全然寝れなかったですね。
 
阿部
作品1つあたり、出来上がるまでどれくらいかかるんですか?
 
よしてる
モノによりますね。かかるやつはすごくかかります。
 
ゆうか
ペイントの作品だと、時間がかかるというよりは精神的にすごい消耗するみたいで、一日で作れる数に限界があるんですよ。
 
よしてる
ダース・ベイダーもそうなんですけど、一日3つが限界ですね。
 
阿部
ベイダー嫌いになってないですか?
 
よしてる
なってないですよ(笑)。描けば描くほど愛着がわきましたね。
 
阿部
それはよかった!
 
ゆうか
愛があったから出来たよね。
 
阿部
そこが大きいですよね。好きだから出来る事ですよね。
 
よしてる
1日で5つ作ろうと思ったら作れるかもしれないけど、次の日は出来ないよ。って感じでした。
 
ゆうか
他の作品のことが出来なくなるとダメなので、バランスよくやっていました。
 
阿部
貴重なお帽子ですよね。このダース・ベイダーは。
 
ゆうか
そういう経緯を考えたら、そうですよね。
 
 
阿部
いま活動をはじめて3年ほどかと思いますが、3年経って、取り巻く環境の変化はありましたか?
 
よしてる
お互いの親は安心したんじゃないかな。
 
阿部
あ、そうですか!作品はお見せになったりするんですか?
 
ゆうか
そうですね。イベントにもよく足を運んでもらっています。
 
阿部
それは嬉しいですね。
 
よしてる
僕の父が昔、洋服屋をやっていたんですね。今度GARÇONと仕事をするって話したらその時は「ふーん。」って感じで終わったんですけど、後から母親に聞いたら、僕が帰った後に「いや〜、GARÇONはすごいな〜。」ってボソっと言ってたらしいです。
 
阿部
それ、本当にすげえなって思ってるパターンじゃないですか。
 
よしてる
そういうこと言う父じゃないんですけど、親孝行できた感じがありました。
 
阿部
いいですね〜。
 
よしてる
あとは、今まで予備校の仕事がメインで作家が副業だったんですけど、それが逆転して、作家を本業に出来たって事が大きいですね。作家仲間の友人たちに話してたら、「向こうに行ったね」って言ってくれる友人と、「こっちに来たな」って言ってくれる友人もいて、そういうところが変わったかなって思います。それで友人関係が変わるって事はないんですけどね。お互いに刺激を与えられる立場になったのかなって思いました。
 
阿部
ここまで広がっていったきっかけは何だと思いますか?例えば、お二人の作品に対するこだわりがあったからでしょうか。
 
ゆうか
彼のセンスを信用しているところですね。尊敬しているので絶対大丈夫だと思っていますが、爆発的に人気が出ることもなく、全く人気がなくなることもなく、ずっとこのまま行けたらなって思います。とにかく、彼は作ることが好きなので、そのクリエイション力とセンスを信用していますね。
 
よしてる
良いこと言うじゃん。
 
阿部
あはは!(笑) いま、抱きしめてもらってもいいですよ。
 
ゆうか
大丈夫です!(笑)
 
よしてる
僕としては、全部が繋がっているなと思っています。デザフェスに出始めて、ネットに出すようになって、それを見たブランドさんが声を掛けてくださって…って、全部が繋がっているんですよね。ひとつの「点」みたいなのはないんです。辿っていくと、デザフェスに出たことが元になっているんですよね。
僕の作家仲間と僕が違うところは、露出を常にしていた事だと思います。僕の美術作家仲間は、みんな新作を作るのが遅いんです。作品が出来上がったら、ものすごいクオリティだし、おもしろい作品なんですよ。でも次作るのは、半年とか一年開いちゃうんですよ。一年の間に人は誰が何を作ったかなんて忘れちゃうんですよね。僕たちはプライドがないので、スパスパ作れるんです。
 
ゆうか
美術をやってる人には、クオリティにこだわる人が多いんです。「100%を出せないと恥ずかしい。見せられない!」みたいな感覚なんですよ。私たちは60点くらいでも出してます(笑)。わりと最初からバンバン出して反応を見ていました。
  
 
 
阿部
Fish Born Chipsさんが思う、ハンドメイド作品の価値ってどういったところですか?世の中には色んなジャンルのハンドメイド作品がありますが、その価値とは、というところで。
 
ゆうか
オリジナリティかな…。
 
よしてる
唯一性は大事だよね…。うーん。やっぱり同じものを作っても、人によって全然違うところですかね。例えば、クラシックのオーケストラって曲は全部一緒だけど、どこの楽団が演奏するかで全然違いますよね。
 
阿部
そうですね。
 
よしてる
そういうことなのかな。同じ素材でうさぎを作ってみても、僕が作るのと他の作家さんが作るのとでは全然違うと思います。そういう違いが如実に出てくると思うんです。ぱっと見で同じものを作っても、ラインが絶対違います。それがハンドメイドなのかなって思います。
 
ゆうか
アルバイトさんに『モンタージュバッグ』のカットを頼んだ時に、同じ型紙、同じ道具、同じ技法ですごい上手な人にやってもらっても、彼(よしてるさん)の引いたラインと全然違うんですよ。
 
阿部
へ〜〜〜!そうなんですか!
 
よしてる
カットをお願いしているアルバイトさんも、トップレベルの人たちなんですけど、なんかちょっと違うんですよね。
 
ゆうか
そこはなんていうか、愛かなって思います。作品への愛情がラインに出てしまいますね。
 
阿部
不思議なもんですよね。
 
よしてる
意外とそれをお客さんも感じてるみたいなんです。目が1侘イ譴燭世韻如∩漢慨蕕違うんですよ。多分、ハンドメイドやっている方はみんな思ってるんじゃないかな。
 
 
阿部
最後の質問なんですけど、今後も大切にしていきたいことはありますか?
 
よしてる
それはもう「ハンドメイド」だよね。
 
ゆうか
そうだね。手で作るって事だよね。手元からは絶対に離さない。自分たちの手の中に作品を留めることですね。手の届かないところに行ってしまうとFish Born Chipsのモノじゃなくなってしまうので。
 
よしてる
あと、最近思ってるのは「守らない」ことですね。去年すごいところとたくさんコラボさせていただいたんですが、「こういう新作は作っちゃいけない!」って思わないことですね。「初心忘れるべからず」じゃないですけど、ちょっとでも良いなって思ったら作ってみる、っていうのを絶対に辞めない事ですね。
もしかしたら、GARÇONで僕たちのこと見て好きになってくれたお客さんが「え、こんなのも作るブランドなんだ。嫌だな。」って離れてしまったとしても、元々の僕たちはこうだったんだから、昔からFish Born Chipsを好きで居続けてくれているお客さんを大事にしたいです。
 
ゆうか
全部を好きで居てくれるっていうのは、絶対ないんですけど、それでも離れないでいてくれるお客さんがいるので信じるしかないですよね。
 
よしてる
新しいお客さんにも寄せたい気持ちはあるんですけど、尖りすぎた作風にしちゃうと、映像やっていた時の僕に戻ってしまうんですよ(笑)。かっこ悪いことできないぞ!って。
 
ゆうか
そういう時にminneさんでいただいたレビューを読んで、初心を思い出しています。
 
阿部
うれしいです!
 
ゆうか
でも最近は新しい道に添った作品も作りたいとは思ってるんです。
 
よしてる
新しいものを作るからには、新しい売り方じゃないといけないとも思ってます。なので、昔からの自分たちやお客さんを大事にしながら、自分たちに出来る新しい作品、新しい売り方を考えないととも思っています。
 
阿部
なるほど、なるほど。
 
よしてる
ぶっちゃけ、「ネットショップとかで売るの辞めたら?」って言われる事があるんです。
 
ゆうか
大きいところとコラボすると、「ハンドメイドサイトで売ってるブランドなんだ〜」ってお客さんが思っちゃうので辞めてほしい。って言われちゃうんですよ。
 
阿部
それはあると思います。それが嫌だから、ハンドメイドサイトに出さない方もいらっしゃいます。
 
よしてる
すごい多いと思います。まあでも、そういう人はそういう人、うちはうち、って思ってます。
 
ゆうか
私たちのやり方があるので。
 
よしてる
だって求めてくれる人たちが居るんだから、この場所を否定するつもりは全くないですね。
 
阿部
いま、作品が広がっていく理由が分かってきました!状況がどう変わっても、制限をかけずに柔軟にやってきたからなんですね。これからやってみたいこととか、展望とかありますか?
 
ゆうか
去年は、向こうから来る話でいっぱいいっぱいになっちゃって、目の前の仕事で精一杯だったんです。できれば今年はお仕事の量を抑えつつ、新しい事を始めたいと思っています。例えば、うちのタグって未だに手描きの値札なんですよ(笑)。細かいところのクリエイションが甘いので、そういう所含めてメンテナンスしていきたいです。
 
よしてる
やっぱり、みんな台紙とか凝ってますよね。
 
ゆうか
そう〜!みんな可愛いの作ってるんですよね〜。
 
よしてる
いーなー、うちもやりたいなー。って思うんですけど、目の前の仕事でいっぱいになってしまって。
 
ゆうか
色々案はあるんですよ!なので、今年は仕事の量が減ってしまっても細かいクリエイションに注力したいです。
 
阿部
改めて世界観の整理をしていくんですね。
 
よしてる
そうですね!
 
   


〜 Fish Born Chipsさん、ありがとうございました! 〜
 
 

カテゴリー

アーカイブ

minneのアプリ

   


PAGE TOP