<gabriyollyさん対談>ひとりでは起こせなかった「化学反応」 第2回


 


< こんなメンバーで対談してきました >


 
gabriyolly(ガブリヨリ)
http://www.gabriyolly.jp/ 
https://minne.com/gabriyollyjp
文化服装学院専任講師の澁谷さん(写真/中央)とグラフィックデザイナー(hiyocostudio)の山崎さん(写真/右)が中心となって活動するユニット。2014年の結成後、代々木上原のCASE galleryでの展示会開催、2015年には伊勢丹新宿店にポップアップストアを出店するなど、本業のお仕事から一歩踏み出したところでオリジナル作品を次々と発表されています。
阿部 minneのエバンジェリスト(写真/左)
 


<もくじ>

第1回 gabriyollyはじめます!
第2回 異分野だから面白い
第3回 作品が生まれる夜間活動
第4回 これからのgabriyolly



第2回 異分野だから面白い
 

dfb894e6-dfde-11e5-8fb5-d9ac7c9228d6.png



澁谷
私、山崎の手書きが好きなんですよ(笑)。

阿部
僕もすきだなぁ。いいですよね。

山崎
ありがとうございます(笑)。

澁谷
出会ったきっかけは、共通の知り合いのアクセサリー作家さんの展示会で、「どこで活動しているんですか?」と聞いたら、「ここ(ものづくり学校)」と言ってたので会いに行ったら、持ってたネタ帳を惜しげも無く見せてくれたんですよ。

阿部
へえ。それはいつ頃の話なんですか?

山崎
約2年前ですね。2014年の春です。

阿部
普段はネタ帳を見せたりされるんですか?

山崎
普段はあまりしないんですけど、いつか何か一緒にできるといいなという期待と、自分はこういうことをやりたいんだということを伝える意味でネタ帳を見せたんですよ。

澁谷
そしたらそこに、ピンクの四角いドーナツが描いてあったんですよ。丸じゃなくて。それを見て衝撃が走ったというか、「あ! このタッチと、こういう考えっていいな」って思って…。私はこう、と思ったらすぐ行動を起こす人なんですよ!

山崎
自分にとって、手描きというのはメモ程度だったんですよ。でもそっちのタッチが良いと言われたのが衝撃で。なるほど〜と。

阿部
それは今のタッチに近いんですか?

山崎
近いですね、バナナのシリーズを描く時に色々メモを...。持ってきました。

 

e3f47476-dfde-11e5-9783-bf5625c181d5.png
 


 

阿部
わあ〜! かわいいですね〜。

山崎
どこか一箇所が変わると奇妙に見えるよねっていう話になって、磁石の柄を作ったり、こんなような物を描いて、いろいろ試行錯誤していましたね。

阿部
かわいい〜。

澁谷
このタッチ良いでしょう?

阿部
良い! さすがアートディレクターっていう感じがしますよね。

澁谷
そうそう〜。サクサクって描くんですよ。

山崎
こういうのを1枚1分くらいで描きためていて。

澁谷
出会ったその時は、いろんな友達の一人としてインプットされたんですけど、それから半月後くらいに、京都の恵文社で展示をしてみないかっていう話をもらって…。その瞬間に「山ちゃんの絵でテキスタイルを作って服を作りたい」って浮かんだんですよ。ピーンと思いついて!

阿部
いいですね〜。あ、僕も山ちゃんでいいですか?(笑)

山崎
どうぞどうぞ!(笑)

澁谷
で、すぐに「こういうことしたいんだけど」と連絡して…。それからは早かったですね。私はとにかく、分野が違う人たちが集まって何か面白い事がやりたいと思っていたので、まさにこれだ!と思って。

山崎
当時、いざチームでやるってなったは良いけど、テーマを設定してまとまりは作らないとな、ってプロデューサー的な悩みがありました。(イラストを指しながら)この辺のくだものとかでテキスタイルをやるのがいいよねとか、アロマも入れるんだったら果実の香りも考えられるし、フォトグラファーの人にも説得ができるし…なんて、いろいろ考えていったら、ストレンジ・フルーツ(奇妙な果実)というシリーズが出来て、一気に視界が開けたんですよ。

阿部
ちなみにgabriyollyの立ち上げと、そのアイディアの部分ってどっちが先なんですか?

山崎
アイディアが先な気がします。gabriyollyっていう名前自体はこれの後くらい。

阿部
そうなんですね、gabriyollyの名前の由来ってなんですか?

澁谷
私たちは、物事を前向きにどんどん押し出していきたいっていうコンセプトを持っていて、いろんな単語をみんなで調べていたら、「ガブリヨリ」って言葉が前に行く感じでいいよねってなって。だけどそれ、相撲の決まり手じゃん!みたいな(笑)。

阿部
ああ、「がぶり寄り」なんですね。

澁谷
決定ってなったら、山ちゃんが一週間後くらいにはロゴを作ってて。

阿部
へ〜。でも何かが生まれる時ってそういう感じですよね。次々とアイディアが出てきちゃう。

澁谷
そうそうそうそう!

 

eb5be7da-dfde-11e5-99bd-1e7e982a8842.png



山崎
普段の仕事で解消できないストックがたくさんあるんですよね。とはいえ「産みの苦しみ」は、全くないわけじゃないんですけど、割とお互いが普段「これは面白いよね」っていうストックを、会えたときに見せ合ったりするんですよ。その時に「あ、これは、こうしたらいいんじゃない?」っていう掛け合わせで、いろんなものができあがる、みたいな。

澁谷
お互いに別々のところでやってきたから面白い化学反応が生まれたんだと思いますね。二十歳の頃とかに出会ってたらこうはならなかったんじゃないかと思うな。

阿部
今、アイディアのお話がでたので少し深堀したいんですが、お仕事されていく中で溜める以外では、どういう風にアイディアを溜めていっていますか?

澁谷
私は16歳から服を作っているんですけど、10年前くらいから、作りたい布が無くなっちゃったんです。じゃあ、布から作ればいいじゃん!って。自分が本当に着たい服を作るために、新しいテキスタイルをどんどん作っていって。それで、新しいデザインや、新しい服作りの技術っていうものを広げていきました。

阿部
なるほど。興味の部分を深堀していくなかでだんだん溜まっていった、ということなんですね。山ちゃんの方は、どうですか?

山崎
普段から自分が面白いと思うことを提案するんですけど、予算だったりクライアントさんの好みだったりと色々な要素があって提案が通ることってほんとに稀なんですよ。そうすると通らなかったアイディアが自然と蓄積していって。「これはどうしてもやりたい!」みたいなものも残ってくるんです。いつか何らかの形で実現したいなと、それを捨てずに取っておいて…。アイディアはそうやってストックされる、というのはありますね。

阿部
なるほど。ものづくり学校にいらっしゃるということは、ポイントになっているんですか?

山崎
そうですね。gabriyollyで作っているものは「made in 澁谷」でもあるんですけど同時に「made in IID」だったりもするんですよね。実はスマホケースのプリントはインクジェットなんですけど、ここ、IIDに入居されているインクジェットの業者の、BELLEIMAGE(ベレイマージ)さんにお願いしているんです。

阿部
あ、これですよね。(my iPhoneを見ながら)

澁谷
それそれそれ!

 
3e17bdb4-dfdf-11e5-88b5-208b5bf469d2.png


阿部
これインクジェットなんですか?って思いますよね〜。

山崎
ワンフロア離れているだけなので、BELLEIMAGEさんとは「こういうデザイン考えたんだけどやってもらっていいですか?」みたいに気軽にやり取りして作品をテストしたり。

阿部
それは、すごく良い環境ですよね〜。minneもイベントのときに壁にminneのロゴのシールを貼る機会があるんですけど、それもIIDの業者さんにお願いしたんですよ。すっごいいい場所だな〜と。ものづくりする人にとってはこれだけ整っている場所って、意外と見つからないですよね。

山崎
ほとんどココで出来ちゃいますからね。

阿部
形になっているものは、本当にかっこいいものばかりですよね。

澁谷
ありがとうございます。お互いに共通しているところとして、パッケージまでが私たちの商品って思えていることで物はかっこいいけど入れ物がダサいとか嫌なんです。ハンカチとかも真空パックになんて結構大変なんですけどね〜。

阿部
確かに、もらった時にかわいい袋に入ってたら嬉しいですもんね。

澁谷
そう。自分の持ち物一つもやっぱりかっこいいものであってほしいし、見られることも意識していて、こういう人がこういう物作るんだっていうことも含めて、全部私たちのブランドだと思っているんです。

阿部
大切なことですね。

山崎
なかなか、貫くのも難しいですけどね。みんな物を見るとこれいいね!ってなりますけど、パッケージは気にしない人が周りには多くて。それはとても残念だなって思ってたんですけど、澁谷がパッケージにこだわる人だったっていうのはすごいラッキーで。逆に自分としてはそこが嬉しかったり、ありがたかったですよね。

 
4115ccc2-dfdf-11e5-8f8d-82caa35f328d.png


山崎
個人的にパッケージのこだわりで特に気に入っているのは、パッケージにQRコードが印刷されていて読み込むと壁紙がダウンロードできるサイトまで作ったところですね。

阿部
こういうことですよね!(阿部さんはケースに合わせて壁紙も同じ柄にしています。)
パッケージも含めて細部までこだわりをすごく感じるので、そこがすごく好きです!

山崎
そうそうそうそう!

阿部
僕はもちろん素敵だからこれにしたんですが、澁谷さんがこれ使っているときにすごいかっこいいな〜と密かに思ったんですよ。サラっと出した時にカッコイイ〜と思って、絶対ほしい!って思いました。

澁谷
ありがとうございます。うれしい〜。そういうのを聞けるのが一番嬉しい。

 

(続きます)

 



<infomation>




「gabriyolly展〜invisivle:みえないもの〜」
日程: 2016月2月28日(日)〜 3月13日(日)
時間: 12:00 〜 22:00(※ 2/28は18:00まで)
場所: CASE gallery 東京都 渋谷区大山町18-23

今回のテーマは「invisivle:みえないもの」。”引力”や”熱”といった”みえないもの”に着目した、全く新しいテキスタイルデザイン。また、2014年に開催した「strange fruits:奇妙な果実」に続くコラボレーション企画、gabriyolly meets〜シリーズでは、テキスタイルデザイナー氷室友里氏との展示も同時開催。


 


カテゴリー

アーカイブ

minneのアプリ

   


PAGE TOP